一人旅に適した旅行スポットや観光ルートをシチュエーションごとに紹介。


皆さんは『軍艦島』を知っていますか。長崎にある、今は無人島となっている島です。最近では、ミュージシャンがプロモーションビデオの撮影のために使ったりもしていますよね。空虚な高層ビルや町並みがカッコいい!
でもなぜ、『軍艦島』と呼ばれているのでしょうか?なぜ無人になったのでしょうか?軍艦島は本来“端島(はしま)”という名前の島なのですが、大正時代に三菱重工業長崎造船所の軍艦≪土佐≫に島のカタチが似ていたことから、軍艦島と呼ばれるようになったそうです。この島は、かつての石炭全盛期には非常に栄えており、島内の人口は5千人を超えていました。
島内には小中学校や病院、食料品や日用品を購入できるお店、パチンコなどの娯楽店もあり生活にも全く困りませんでした。工場は朝晩休まず3交代で稼働していたので、工場内には常に灯りが灯っており、不夜城とまで呼ばれる程だったのですが、石油へのエネルギー移行の影響を受けて閉山となり、住民たちも新しい仕事を求めて本島へ渡り、無人となってしまったのです。
そんな歴史を知ると、さらに軍艦島に興味が湧いてきませんか。歴史を学ぶことで視野が広がるし、それらを通して今の自分や社会を見つめなおすことも非常に貴重な時間ですよね。そんなわけで、日本の歴史と自分を見つめなおすため、ひとり長崎に向かいました。
軍艦島へは、長崎港から船で30分ほどで到着します。出航してすぐに旧外国人居留地や長崎三菱造船所が見えてきて、ガイドさんが見どころなどを案内してくれます。その話に聞き入っている間にあっという間に島が見えてきました。島に着くと、まずは船で島の周りをぐるりと1周します。よくテレビ等でみかける高層住宅群はこの周遊でしか近くで見られませんので、船にいる間に目に焼き付けて、写真にもおさめておきましょう。
さぁ、やっと上陸です。島に降りると、なんだか気持ちがシャンとします。割れた岩や壁が歴史を物語っています。島内を散策しながら、ガイドさんが軍艦島の歴史や当時の人々の想いなどを語ってくれます。かつては栄えていた島が、今は無人に。なんだか映画や小説の中での出来事のようにも思えますが、これは実際に日本で起こったことなんですよね。なんだか感慨深いです。
帰りの船内でも、長崎港の歴史やそこで活躍した人たちのお話を聞かせてくれます。そんなわけで、この軍艦島ツアーでは最初から最後まで考えさせられ、また自分と向き合えた時間を過ごせました。
あなたは軍艦島で何を感じ、何を思うのでしょうか。
